
東京から新幹線と在来線を乗り継いで2時間30分。
葛飾北斎が晩年を過ごし、「栗のまち」としても知られる長野県小布施町。
この町を舞台に、「町民」の定義を捉え直す、新しいまちづくりの試みが始まっている。
小布施は、面積19㎢、人口1.1万人という小さな町だ。
町中で知り合いに遭遇するのは日常茶飯事で、行きつけの飲食店では店主が温かく迎えてくれる、アットホームな規模感が特徴だ。
小布施は江戸時代末期、北信地域最大の規模を誇った「六斎市」が開かれ、様々な物や人が行き交う場所として発展した。また、1980年代には暮らす人も訪れる人も心地よく過ごせる空間づくりを重視した「町並修景事業」を行い、2010年代には全国から若者が集い事業構想に取り組む「小布施若者会議」を開催するなど、まちづくりの先進地としても知られている。こうした歴史の中で、内と外、官と民など異質なもの同士が溶けあう風土や、町にあるものを活かして独自の未来像を描く創造性が育まれてきた。
そんな小布施には、住むのでもなく、旅行先として訪れるのでもなく、新しい関わり方を実践する人がいる。都会に住んで働きながら、小布施を舞台にした観光体験を企画する人。都会や大企業では味わいづらい、自らの手で企画を形にする楽しさが何よりのやりがいだと言う。またある人は、数日間ゲストハウスに滞在して本業はテレワークでこなす傍ら、小布施のまちづくりに関わっている。素泊まりの宿のはずが、オーナーと仲良くなり、ご飯をごちそうしてもらうこともしばしばあるらしい。
そうした人にとって、小布施は町がまるごと「サードプレイス」になっている。
暮らしを営む「家」でも、仕事に勤しむ「職場」でもない、自分の時間を気ままに過ごしながら仲間と交流の深め、より豊かに活動する活力が生まれる場所を「サードプレイス」(第3の居場所)と言う。
この町に惹かれて集う仲間たちは、自分が居たいと思う場所だからこそ、町の未来を自分事として考える。小布施にとって、町に関わり、町を想う人は、どこに住民票があったとしても「バーチャル町民」だ。
「小布施バーチャル町民会議」は、従来の「町民」「来訪者」の垣根を超え、小布施に暮らす人も通う人も一緒になり、自分の居場所として誇れる町をつくる新しい挑戦なのだ。
小布施バーチャル町民会議とは
バーチャル町民とは?
小布施に住んでいなくても、この町に愛着を持ち、時に小布施を訪れ、様々な活動に取り組む仲間。
どんな会議?
「小布施バーチャル町民会議」では、全国から参加者が集い、小布施町でのフィールドワークやオンラインでのディスカッションを通じて町の未来を構想します。取り上げるテーマは、「サステナブルな町」を目指す小布施で今まさに進めていこうとしている領域です。
2ヶ月の間、テーマにかける自分たちの想いも掘り下げながら、行政や企業、住民との対話を通じて「みんなのビジョン」を描いていきます。こうして導き出されたビジョンは、これから小布施町が進んでいく道を切り拓く大きなきっかけになるかもしれません。
バーチャル町民会議の4つのステップ
小布施を感じる
町の歴史を学び、
肌で感じる
「自分の想い」を
言葉にする
テーマにかける想いを
言語化する
「町の人の想い」を知る
テーマに関わる人と出会い
対話する
「みんなのビジョン」をつくる
自分や町の人の想いから
一つのビジョンをつくる
バーチャル町民会議で得られること
1

地域をフィールドに
構想をカタチにする
生の体験を得る
2

サステナビリティの先進都市を
本気で目指す小布施町の取り組みを学び、
自らも新たな事例をつくる一員となる
3

「家」や「職場」以外で
仲間と出会い
活動できる居場所を見つける
過去参加者の声
非常に濃密で凝縮された時間を過ごし、地域に貢献できる自分の関わり方を発見できたのが一番の収穫でした。更に深みにハマりそうな小布施との関係も楽しみにしています。
2年前の小布施まちづくりプログラム以来、また小布施と関われたらと思っていたので、今回のバーチャル町民会議が新たな「関わりしろ」になり、とても良い機会でした!今後も小布施の関わりしろを一緒につくれたらうれしいです。
「バーチャル会議」という形になったことで、より参加者の多様性が広がり、さまざまな視点や立場から小布施の未来を考えることができました。

小布施町とは…
小布施バーチャル町民会議が開催される小布施町は、長野県北部に位置し、19㎢の面積の中に人口1.1万人が住む、長野県最小の町です。
40年以上前から、「町並修景事業」に代表される官民協働による先進的な取り組みを積み重ね、現在では、美しい町並みや農業景観、美食を目的に、年間100万人以上の方がこの町を訪れています。
近年は、「協働と交流」をコンセプトに、地域内外の多様な主体が連携したまちづくりを推進し、「サステナビリティ」を重視した取り組みも加速させています。

日程
DAY 1 | 日時 |
2月11日
(金・祝)
13:00-18:00 |
---|---|---|
会場 |
小布施町 |
|
DAY 2 | 日時 |
2月12日
(土)
9:00-15:00 |
会場 |
小布施町 |
|
DAY 3 | 日時 |
2月23日
(水・祝)
13:00-16:00 |
会場 |
オンライン |
|
DAY 4 | 日時 |
3月5日
(土)
13:00-16:00 |
会場 |
オンライン |
|
DAY 5 | 日時 |
3月19日
(土)
13:00-16:00 |
会場 |
小布施町 |
その他に週1~2時間程度のチームミーティングを想定しています。
新型コロナウイルス感染症の拡大状況により、日程や実施形態が変更になる可能性があります。
テーマ
「サステナブルな町」の
拠点を構想する

小布施は美しい田園風景と、そこで生産される栗やりんごなどの農産物が魅力の町。しかし、近年では気候変動による脅威に直面しており、豪雨による浸水被害も増えています。そこで町では「環境先進都市」となることを目指し、ゼロカーボン(二酸化炭素排出量の削減)、ゼロウェイスト(ごみの削減)を中心とした取り組みを進めています。
しかし、環境対策は行政の力だけでは進みません。約1万人の住民、更には小布施を訪れる100万人の観光客全体が、日々の暮らしの中で「サステナブル」を体感し、実践していく。そのためには、どのような仕組みがあると良いのでしょうか。行政が進める施策や、町に暮らし、事業を営む人々の想いも踏まえながら、住民にも観光客にも嬉しい、新たなまちづくりのシンボルにもなりうるサステナブル・センターのあり方を構想します。
小布施を
「現代の湯治場」に

小布施には、善光寺や松本城に匹敵するランドマークはないものの、来訪者のリピート率は県内トップクラスと言われています。調和のとれた町並み、質の高い飲食店、個人宅の庭を開放するオープンな気風といった魅力はもちろんのこと、小さな町だからこそ人の顔が見える居心地の良さも何度も訪れたくなる要因なのかもしれません。忙しく観光地を巡るのではなく、自分のペースで滞在できるこの町に安らぎを感じる人も多いようです。
かつて、けが人や病人が長期間滞在し温泉治療を行ったのが「湯治場」です。小布施は温泉郷でこそないものの、町の特色を活かすことで、訪れる人が英気を養うことができる「現代の湯治場」となりうるのではないか。周囲から隔絶された秘境でもなく、せわしない都会でもない、小布施ならではの新しい滞在の形を構想します。
募集要項
主催
小布施町総務課総合政策推進室・小布施町地域おこし協力隊
企画運営
小布施バーチャル町民会議実行委員会
募集人数
全10名程度(5名 × 2テーマ)
参加費
5,000円
現地での交流プログラムやプロジェクト推進に関する費用として利用します。
小布施来町時の宿泊費・交通費は各自ご負担ください。
応募条件
ZoomやSlack等のオンラインツールを使用できる方
(オンラインツールの使用サポートは事務局では行いません。)
プログラムの5日程全てに参加いただける方
応募締め切り
2022年1月16日(日)
定員以上のご応募をいただいた場合は、応募フォームの内容を基に選考いたします。選考結果は1月21日(金)までにお知らせします。
応募方法
小布施バーチャル町民会議ウェブサイト上の応募フォームから必要事項を入力の上ご応募ください。
お問い合わせ
以下のメールアドレスよりご連絡ください。
よくあるご質問
Q1定員はありますか?
あります。テーマごとに5名程度の定員を設けております。
Q2公募での選考基準は何ですか?
応募内容から、各テーマに対するコミットメントや貢献可能性を実行委員会で総合的に判断し、ご参加いただく方を決定します。選考結果についての問い合わせは受けかねますので、あらかじめご了承ください。
Q3応募内容の取り扱いはどうなりますか?
ご応募の際に提出いただいた内容については、本プログラム及びバーチャル町民制度の運営の範囲内で使用いたします。
Q4参加費はどのように支払いますか?
参加費のお支払い方法については、参加が確定した方に1月21日(金)までにご案内いたします。
Q5参加費支払い後のキャンセル料は発生しますか?
参加費支払い後にプログラムへの参加をキャンセルされた場合には返金に応じかねますので、あらかじめご了承ください。
Q6対面開催の日程にオンラインで参加することは可能ですか?
Day1-2およびDay5については、対面での参加が必須です。オンラインでの参加はできません。
Q7小布施来町時の交通手段、宿泊先は各自手配ですか?
小布施で開催されるプログラムに参加される際は、小布施までの交通手段・宿泊先は各自でご手配・ご負担をお願いいたします。参加が確定した方には、町内の宿泊施設に関する情報をご案内いたします。